「2019年、コーヒーは新たなフェーズに移行する。」
果たしてどういう意味なのだろうか?その全貌が一冊の本に凝縮されている。BRUTUSの人気シリーズ「おいしいコーヒーの教科書」の2019年版はカフェ好きではなくコーヒー好きにたまらない内容だ。
カフェでコーヒーを飲む時代から・・
今回のBRUTUS(ブルータス)の新刊、「BRUTUS おいしいコーヒーの教科書2019」はカフェにフォーカスしていない。
巷のコーヒー特集の雑誌は様々なおしゃれカフェを掲載することが多い。今までのBRUTUSもそうだった。しかし今回のBRUTUSは別方向に舵を切った。
果たして今回は何に焦点が当てられているのか?
ホームブリュー時代の到来
今回のBRUTUSはコーヒー豆を販売している自家焙煎店やコーヒー豆自体にフォーカスした内容になっている。
スターバックスやタリーズコーヒーなどのいわゆるシアトル系コーヒーショップが台頭した90年代から2000年代。コーヒーは「楽しむ」ものではなく、眠気覚ましの特効薬、サードプレイスを確保するための手段として存在していた。
そしてその10数年後。サンフランシスコのブルーボトルコーヒーが日本に上陸した2015年を皮切りに日本のコーヒーカルチャーは一気に変動する。
第3次コーヒーブーム。サードウェーブの到来である。
農園、標高、生産処理方法などの生産履歴がしっかりとしたシングルオリジンのスペシャルティコーヒーをワインと同じような感覚で楽しもうという気運が高まってきたのである。
そして・・
そのサードウェーブのブームが徐々に落ち着きを見せ始めた今、2019年コーヒーは新たな時代を迎えようとしている。それが「ホームブリュー」である。
なぜホームブリュー?
もちろんコーヒーの自家焙煎店は昔から存在し、自宅でコーヒーを淹れるということは全くもって新しいことではない。ではなぜホームブリューが今になってより注目されてきているのか?以下の3つの理由が考えられる。
・スペシャルティコーヒーを焙煎・販売するコーヒーロースターが都内を中心に増えてきており、多くの人が高品質のコーヒーに容易にアクセスすることができるようになった。
・インターネットの普及によりコーヒーの抽出レシピが世界中で共有されるようになった。
・コーヒー器具が年々進化してきており、初心者でも美味しく淹れることができるようになった。
すべてのコーヒー好きへ
コーヒー好きにとって今は本当に素晴らしい時代である。ただこの時代は既存のコーヒーラバーだけのものではもちろんない。コーヒーに少し興味を持ち始めているライトユーザーのための時代でもある。
新たなコーヒー時代の幕開けとともに今年は新たな趣味としてあなたもコーヒーを始めてみてはどうだろうか。
2020年版はこちら↓
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