待望の日本語訳版!名著「カフェの経営について私が学んだ事」を読んでみた

以前からずっと読みたいと思っていたが、洋書であることを理由に諦めていた名著「What I know About Running Coffee Shop」がついに日本語翻訳され先日出版された。この時をずっと待ち望んでいた人も多いのではないだろうか。


カフェ開業の指南書のような分野の本はもう既に存在しているが、いくつか僕が読んできた中でこの本は間違いなく個人的に一番の良書。困ったときに何度も取り出して読みたくなる、そんなバイブルだ。


価格に関しては少々高めだが、読む価値は大いにある。日本語訳もとても綺麗で非常に読みやすい。翻訳本だということを読んでいる最中に忘れてしまうほどだ。


小さなコーヒーカートから世界的に有名なコーヒーショップにまで成長させた著者が綴るカフェ経営の「現実」と「ロマン」が詰め込まれた一冊を今回は紹介していきたい。

 

 この本がおすすめな人

■ カフェの経営者
■ カフェを開業したい人
■ 経営者視点を持ちたいバリスタ

 

 



著者はどんな人?

photo by irishtimes.com

「カフェの経営について私が学んだ事」の著者は過去4度アイルランドバリスタチャンピオンに輝いたコリン・ハーモン氏。


彼は世界で最もイノベーティブなカフェの一つとして知られている3fe Coffeeの経営者でもある。コリンの日本での知名度はそれほど高くはないが世界的な知名度はかなり高い。


また2014年アジア人初のワールドバリスタチャンピオンという快挙を成し遂げた井崎英典氏がこの著書の監修に携わっている。業界のオピニオンリーダーでありコーヒーエバンジェリストとして国内外で幅広く活躍する姿に憧れるバリスタは多い。

 

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どんなことが学べる?

この本にはカフェ業態で成功するための実用的なアドバイスが多く詰まっている。それらは決して机上の空論なんかではない。コリンが実際にカフェ経営をしてきた中で目の前に立ちはだかってきた苦労や失敗をどのように解決してきたかが具体的な事例ととも提示されている。今日からでも実践できるようなトピックも多く紹介されている。

僕が特に興味深いと感じたのは、カフェ開業前・後での友人や家族との適切な距離の保ち方。これは他のどの開業本にも書かれていない。「なぜ友人がお店に来店してもコーヒーを無料であげてはいけないのか」「なぜ家族を従業員として雇ってはいけないのか」など実際に経験して悩んできた人間だからこその視座である。


そういったケーススタディの他、コーヒーやコーヒーに使用する水などのドリンクに関してはもちろん、カフェに最適な立地や財務、従業員との付き合い方や、業者との付き合い方など多岐に渡る内容を一冊に網羅的にまとめてある。


もちろんカフェ経営に関して全てが分かる包括的な完全ガイドというわけではない。だが、他の開業関連の本には絶対に書かれることがないであろう「経営者であれば、コーヒーマンであれば誰もがやるべきなのに実際にはやっていない人が多い事柄」に関して沢山言及されている。



ここにこの著書の大きな価値があると思っている。



本当に久々に買って良かったと思える本に出会えた。コリンの洞察力と様々な方面へのきめ細やかな気配りや心配りが、彼がホスピタリティ産業で成功できている大きな秘訣であると一冊を通して理解することができた。


彼のひととなりも知ることができ読後感はとても心地いい。











 

 

最後に

カフェ経営の「難しさ」を一冊の本を通してコリンは存分に伝えてくれた。カフェというものを愛し、一緒に働いてくれる従業員を愛し、そしてただただシンプルにコーヒーを愛するコリンがこの本の中で本当に伝えたかったのは、カフェを経営することの楽しさなのかもしれない。