僕が一番好きなコーヒーは「クリーンで甘いコーヒー」。
飲んだ瞬間、コーヒーが持つ良質なフレーバーが口と鼻の奥まで広がり、何の抵抗もなく水のようにするりと喉を通り、最後に口の中で甘さの余韻が長時間持続するようなコーヒー。
そんなクリーンで甘いコーヒーにお店で出会った時とても嬉しい気持ちになる。そんな極上のコーヒーも”ある“ドリッパーを使えば自宅で簡単に淹れることができる。
今回は、コーヒー文化が急速な勢いで発展している台湾で生まれたコーヒー器具「クレバーコーヒードリッパー(Clever Coffee Dripper)」を使用し、品質の良いコーヒーが持つポテンシャルを最大限に引き出しつつも、クリーンで甘さのあるコーヒーの淹れ方を紹介したい。
クレバーコーヒードリッパーの特徴に関してもっと詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説している。このコーヒー器具に対しての理解がより深まるはずだ。
「自宅でも美味しいコーヒーが飲みたいけど淹れるのがめんどうだな・・。」 そんなジレンマを抱えた人の悩みを100%解決するコーヒー器具が、隣国・台湾から生まれた「クレバーコーヒードリッパー(Clever Coffee Dripper)」だ。も[…]
浅煎りに特化した最新レシピは以下から
「クレバーコーヒードリッパーだと浅煎りが美味しく淹れられないな・・。」 「どうすればクレバーで美味しい浅煎りを淹れられるの?」 という声をよく耳にする。工程がシンプルで誰でも簡単にコーヒーが抽出できるクレバーコーヒードリッパーの唯一の弱点が[…]
クリーンで甘いコーヒーを淹れよう
基本レシピ

コーヒー豆 | 15g |
粒度 | 中挽き |
湯量 | 225ml |
湯温 | 浅煎り 90〜93℃ |
中煎り 87〜90℃ | |
深煎り 86〜88℃ | |
攪拌回数 | 3回 |
抽出時間 | 浸漬4分 + 濾過約1分 |
15gのコーヒー豆を準備

今回はフレーバーと甘さと酸のバランスが良いエチオピアのコーヒーを15g使用。焙煎度合いは中浅煎り。計量スプーンで測ると量が毎回ブレるのでスケールで測ることをオススメする。
僕がコーヒーを本格的に始めようと思った当時、まず一番最初に購入したのがHARIO(ハリオ)のV60 ドリップスケール。 そもそもコーヒーを淹れるのに計りが必要だなんて事さえ知らなかったのだけれど、働き始めたコーヒーショップでスケールを使って[…]
どんなコーヒーを使うのが良い?

クレバーコーヒードリッパーはフレンチプレスと同様、お湯とコーヒー粉を一定時間漬け込んで抽出する浸漬式(しんししき)という方法であるため、良くも悪くもコーヒーの成分をダイレクトに引き出してしまう。
そのためやはり品質の良いコーヒーがオススメ。下記3つの項目をクリアしているコーヒー豆であれば美味しいコーヒーを淹れられる可能性が高い。
② 焙煎日から7日前後のコーヒー
③ 挽きたてのコーヒー
ペーパーフィルターのリンス

ペーパーフィルターをセット。Lサイズのクレバードリッパーなら2〜4杯用の台形フィルター、Sサイズのクレバードリッパーなら1〜2杯用の台形フィルターが適している。


一度リンス(ペーパーフィルターの湯通し)をして、ペーパー臭さを取り除くことでより美味しいコーヒーに仕上がる。このひと手間を忘れずに。

リンスに使用したお湯は必要ないので捨ててしまおう。
中挽きに挽く



挽き目は中挽きで(写真上参照)。今回は手挽きミル最高峰と言われいているコマンダンテC40を使って挽いていく。
コマンダンテを使う場合はスタート位置から35クリックすると写真上のような挽き目になる。もしコマンダンテ を持っていない場合は写真の挽き目を参考にしながら、ご自身のグラインダーで調整。
手挽きコーヒーミルは国内・国外にて様々なモデルが開発・販売されている。 ■ ポーレックス(Porlex)■ Zpro(ジープロ)■ Timemore(タイムモア)■ Kinu(キヌ) M47 など高品質なモデルが各社で続々と発表されている群[…]
コマンダンテが気になる方は以下の記事をチェック。
ずっと自宅用として愛用していたポーレックスからコマンダンテに乗り換えて約1年。実際に使い倒してみた感想は素直に「かなり良い。」その言葉以外出てこない。 ■ 粒度の均一性■ 微粉量の少なさ■ ハンドルの回しやすさ は文句の付けようが無[…]
微粉を軽く除去する

この工程が今回の記事タイトルにある「クリーン」を実現する最大のキーポイントである。この一手間で出来上がりのコーヒーは劇的にクリーンなテイストのコーヒーになる。
やり方は茶こしの中にコーヒー粉を入れ、軽く数回振るだけ。やればやるほど微粉は除去できるが、時間の経過とともにコーヒーのフレーバーは空気中に揮発してしまうため、10回前後で十分。
微粉除去ができる専用の器具がサザコーヒーから販売されているのでこういった器具を使うのもあり。
コーヒー粉をドリッパー内にセットする

コーヒー豆を挽き、微粉を軽く除去したらクレバーコーヒードリッパーにセットする。
お湯225g(93℃)を注ぐ

今回は中浅煎りのコーヒー豆のため、温度は少し高めの93℃。焙煎が深ければ80℃台後半くらいが良い。昔はケトルに温度計を差して湯温を測っていたが、今は温度調整機能付きケトルを使っているのでピンポイントに湯温が計測できる。大変便利。
世界中のトップバリスタの多くが使用している事で注目を浴び、今や電気ケトルNo1の呼び声が高いBrewistaのケトル。 湯温を測るのに温度計を使うのがいつも煩わしく感じていたのと、Brewista製品がずっと欲しかったので購入してみた。単刀[…]

93℃のお湯225gを注ぐ。コーヒー15gに対してお湯は225g。コーヒーとお湯の割合は1:15。コーヒー抽出ではとてもベーシックな比率。
1. お湯は一気に注ぐ
ドリップのようにゆっくりと注がず一気に注ごう。勢いよく注ぐことで撹拌を起こし抽出効率をあげる。
2. コーヒー豆を挽いたらすぐにお湯をかける
コーヒー豆は挽いた瞬間からフレーバーやアロマが空気中に揮発するので、コーヒー豆をドリッパーにセットしたらすぐにお湯を掛けよう。
4分待機

タイマーをスタートさせ4分待機。

高い湯温を使う浅煎りは蓋をせず、低い湯温を使う深煎りは温度低下を塞ぐため蓋をしよう。
表面をブレイクする

お湯を注いでから4分が経過したら、表面に上がってきている粉を優しく3回攪拌。
濾過開始

ブレイクした後はカップの上に直接、もしくはサーバーの上にクレバーコーヒードリッパーを乗せ濾過を開始。

約1分ほどで全ての液体が落ち切る。抽出が終了したら付属のコースターにクレバーコーヒードリッパーを乗せる。
※カップに直接クレバーコーヒードリッパーを乗せて濾過する場合は、飲む前にコーヒーを底からスプーンで軽く攪拌し濃度差を無くしてあげるのを忘れずに。
完成

クレバーコーヒードリッパーを使うことで、コーヒーのポテンシャルを最大限まで引き出し、尚且つクリーンで甘いコーヒーに仕上がった。
こんなシンプルな方法でクリーンで美味しいコーヒーを作れるのはクレバーコーヒードリッパーの本当に大きな魅力。
テクニックが必要なく、シンプルで簡単なクレバーコーヒードリッパーを使って手軽に美味しいコーヒーを楽しんでほしい。
レシピのおさらい

・コーヒー 15g (中挽き)
・お湯 225g (93℃ 浅〜中浅煎りの場合)