バリスタやコーヒーラバーの間ではよく知られたエアロプレスの抽出方法の一つ「インバート式(逆さ式/反転式)」のやり方について、今回はシンプルな写真を使って簡潔に説明したい。
これから初めてインバート式に挑戦する方や、やった事はあるけどいまいちインバート式で上手く抽出できないという方におすすめの記事となっている。
ちなみに今回ご紹介する方法は海外のトップバリスタが使用しているやり方を少し変化させ、汎用性の高いやり方にアレンジしている。どんなコーヒー豆を使用しても好みの味わいにする事ができる魔法のレシピだ。
√ インバート式をやってみたい!
√ エアロプレスで美味しいコーヒーがなかなか作れない・・。
インバート式の解説
インバート式(=インヴァート式)とは?
エアロプレスには大きく分けて以下の2パターンの抽出方法がある。
■ インバート式 (逆さ式)
通常通り抽出を行うスタンダード式の他に、インバート式と言ってエアロプレスを逆さまにして抽出を行う方法がある。今回はそのインバート式のやり方を解説するのだが、なぜこのインバート式が、スタンダード式と同じくらい多くの人から支持を得られているのか?
その理由には2つのメリットが存在するから。
インバート式のメリット
インバート式のメリットは大きく以下の2つ。
■ しっかりとした濃度のコーヒーを抽出する事ができる
「再現性が高い」という事は、コーヒーを淹れるたびに味が大きく変わってしまうという事が少なく安定しているという事。そして濃度のしっかりとした味のコーヒーを抽出する事が可能、というもう一つの利点もある。
スタンダード式はインバート式と違い、コーヒー粉にお湯を注いだ瞬間から液体がポタポタとサーバー内に落ちていく。そのため抽出のコントロールが難しく、インバート式に比べ味の再現性が低いと言われている。
もし「インバート式抽出は自分にとっては少しハードルが高そうだな・・。」と思う人には、インバート式を100倍簡単にできるエアロプレス専用アタッチメント「Prismo」がおすすめ。Prismoがあればインバート式にしなくても簡単にインバート式のメリットを享受することができる。最近日本でも人気が出始めている器具でオススメだ。
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実際に抽出してみよう!
基本レシピ
コーヒー豆 | 20g |
湯量 | 120ml |
湯温 | 浅煎り 90〜93℃ |
中煎り 87〜91℃ | |
深煎り 86〜88℃ | |
攪拌回数 | 優しく10回 |
プレス時間 | 30秒 |
加水 | 60ml〜90mlの間でお好みで調節 |
※ コーヒー豆や焙煎度によってレシピを変えすぎると小難しくなってしまうのでお湯の温度以外は固定。
1. エアロプレスをセット





まずはペーパーフィルターをリンスしよう(お湯通し)。
これには二つの理由があり、一つはペーパー臭さを取ること。もう一つはフィルターキャップにペーパーを密着させる事。乾いたままのペーパーフィルターをセットしてしまうとペーパーがズレてしまうので忘れずにリンスはしよう。
またプランジャーとチャンバーをセットする時は2cmくらいはめればOK(写真上から4枚目を参照)。はめすぎるとお湯が入るスペースが無くなってしまうため。
2. コーヒー豆を細挽きに挽く


短時間で抽出するので細挽きが良い。細挽きでクイックに濃いコーヒーを抽出するようなイメージ。中挽き以上だとしっかりとコーヒーの成分が引き出せないので注意。
3. お湯を注ぐ

インバート式はお湯のスピードを気にせずに注げるところが良い。スタンダード式だとお湯の投下スピードを速くすればするほど連動して下にお湯が抜けるスピードも速くなってしまうので、この点に関してはインバート式は優れていると言える。
4. 優しく10回攪拌をする


付属のパドルで攪拌しても良いが、きちんと混ぜるならカッピングスプーンなどを使って下から救い上げるようにしてかき混ぜるとしっかりと混ざる。混ぜるときのポイントはあくまで優しく。強くかき混ぜすぎると渋さが目立ったコーヒーになってしまうので要注意。
もしカッピングスプーンで攪拌がしづらければブリュースティックが小回りが利くのでおすすめ。
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5. 30秒間かけてプレス開始




プレスはゆっくり30秒間かけて抽出。押し切る手前で「プシュー」と音がするのでそれがストップの合図。うまく抽出できればしっかりとした味のコーヒーのベースが出来上がるはずだ。
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6. お湯で薄めて完成




濃く抽出されたコーヒーの量はグラムにして約90g前後。これをお湯で薄めて完成となる。加水する量はお好みに合わせて60〜90mlの間で味を見ながら調整していく。
ボディやトロリとしたマウスフィール(触感)を楽しむならお湯少なめ、すっきりとした味わいやフレーバーを楽しみたいなら多め、と言った具合に調整すると良いだろう。
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最後に

毎日コーヒーを淹れて楽しむのであれば、小難しいレシピや抽出メソッドよりも「誰でもできて簡単でシンプル」そして「常に安定した味にする」事が大切になってくる。どんな豆でも美味しくなるような汎用性のある今回の方法でぜひトップバリスタの味を再現してみてほしい。
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