コーヒー大国・オーストラリアで誕生した革命的なコーヒー抽出器具「Delter Coffee Press(デルターコーヒープレス)」。この器具を半年前にゲットして以来、今やこのデルターの虜である。
高い再現性とクリアな味のコーヒーを作れるところが大のお気に入り。世界と比べると日本における認知度はまだまだ低いものの、段々と人気が高まっている。
最近ではオリジナルレシピを用いて独自の抽出を楽しんでいる人をSNSで見かけるようにもなった。そんな人気上昇中のデルターだが、多くのデルターユーザーからある一つの質問をよく頂く。
「同時に2杯分のコーヒーは作る事はできないのか?」
確かに2人分のコーヒーを一回ずつ分けて淹れるのはとても面倒であるし、2人分を同時に淹れられたらどんなに楽かと思う。特にアウトドアのシーンでは2杯同時抽出は重宝する。
もしデルターで2杯同時抽出ができないのであればデルターの魅力は半減してしまうかもしれない。でもその心配はない。ほとんどの人が知らない唯一の方法があるので今回はその方法をシェアしたい。
「コーヒーの新しい抽出方法」と聞いて、その響きに心ときめかせるコーヒーラバーは少なくないだろう。 新しく、そしてユニークな抽出方法を実現できる抽出器具「デルターコーヒープレス(Delter Coffee Press)」が現在世界中で話題にな[…]
なぜ多くの人が悩む?

デルターコーヒープレスが「2杯分を一度で抽出できない器具」と言われている理由はシンプルに、
「チャンバー内にお湯がMax250mlしか入らない」
からである。しかしある方法を行えばデルターコーヒープレスでも2杯分のコーヒーを一回の抽出で淹れる事ができる。そのやり方はとてもシンプルで以下の2つの事をするだけ。
2. お湯を後から足す
たったこれだけ。これがデルターで2杯分抽出する唯一の方法。それでは実際に抽出していきたいと思う。
2杯分淹れてみよう
レシピ

コーヒー豆 | 24g |
メッシュサイズ(挽き目・粒度) | 中挽き |
湯量 | 4000ml (200ml+200ml) |
湯温 | 95℃ |
プッシュ回数 | 計3回(蒸らし含め) |
1. ペーパーフィルターをセットしリンス

デルターコーヒープレス専用のペーパーフィルターをセット。

ペーパーフィルターをリンス(お湯通し)することでペーパーフィルターの独特な臭いを除去できる。またリンスはキャップとペーパーフィルターをくっ付ける目的もあるので必ずリンスはしておこう。
リンスした後軽く上下にキャップを振ってあげると余分な水分が取れる。
2. コーヒー豆を挽く

コーヒー豆は24g使用する。
別記事『[初心者必見]デルターコーヒープレス(Delter Coffee Press)の使い方と基本レシピを公開』では1杯分のレシピを紹介しており、そこでは中細挽きを使用している。今回の2杯分抽出では挽き目は少しだけ荒くして「中挽き」を推奨。

大体上の写真くらいの粒度が良い。コマンダンテC40だとスタート位置から28クリック(中挽き)。
手挽きコーヒーミルは国内・国外にて様々なモデルが開発・販売されている。 ■ ポーレックス(Porlex)■ Zpro(ジープロ)■ Timemore(タイムモア)■ Kinu(キヌ) M47 など高品質なモデルが各社で続々と発表されている群[…]
3. コーヒー粉をセットしキャップをセット

挽いたコーヒー粉をセットしよう。山にならないように横に少し振って平らになるように慣らす。

キャップはしっかり締めること。抽出中にキャップが外れ粉がこぼれてしまったら今までの工程が全て台無しだ。
4.チャンバーに湯を投入

コーヒーを受けるためのサーバーを下に置く。湯を注ぐ前にプランジャー(押す側の筒)がチャンバーの下までしっかりとセットされている事を確認。

95℃のお湯を200mlの目盛りまで注ぐ。

湯を注いだ後はすぐにゴムキャップをはめ、湯温の低下を防ごう。

余談だが、コーヒー用のお湯を温めるとき僕は温度がピンポイントで設定ができるBrewistaのケトルを気に入って愛用している。注ぎ口が細いので注ぎやすく、また人工工学に基づいてデザインされたハンドルなど痒いところに手が届いている。とてもおすすめ。
世界中のトップバリスタの多くが使用している事で注目を浴び、今や電気ケトルNo1の呼び声が高いBrewistaのケトル。 湯温を測るのに温度計を使うのがいつも煩わしく感じていたのと、Brewista製品がずっと欲しかったので購入してみた。単刀[…]
5. 蒸らし

50mlを引きぬいてゆっくりと下までプレス。

下までプレスし切ったら2分待機。2分待つことで蒸らしをしていく。この蒸らし行程が超重要なポイント。2分は長いと感じるが、様々な抽出検証を行なった結果ここで2分間の蒸らしを行う事でコーヒーの甘さをを多く引き出せる事が分かった。

蒸らしの2分は甘さを引き出す準備。焦らず2分経つのをじっくりゆっくり待とう。
6. ファーストプレス

残りの150ml全てを引き抜いて、30秒〜40秒間掛けてゆっくりプレスしていこう。
6. お湯を再投入

最初の200mlをプレスし切ったらもう一度200mlのお湯を再投入しよう。湯温は最初と同じ95℃を使わなくて良い。自然と湯温が下がった状態(約88℃)のお湯を注ぐ。

ゴムキャップをするのを忘れずに。
7. セカンドプレス

次は200mlのお湯を一気に引き抜いて一度でプレスしていく。プレス時間は約40〜50秒ほど掛けてゆっくりと。
8. 完成

抽出される総液体量は約380ml。とてもシンプルな方法で、2人分のコーヒーを一度の抽出で淹れる事ができた。

2つのカップに注ぎ分ける前にスプーンで混ぜて味を均一にしてあげよう。

中浅煎りながら酸味のボリュームは抑えられ、甘さがよく引き出されている。酸味と甘さのバランスが調和したコーヒーに仕上がった。それでいてクリア。デルターコーヒープレスは浅煎り〜中煎りの焙煎度で焙煎されたコーヒー豆と好相性。
もし求めている味と違ったら?

焙煎度合いやコーヒーの種類によって挽き目などはお好みで微調整すると良い。もし、苦味を抑えたい場合は粒度を少し荒くするか湯温を下げてあげよう。詳しくは以下の記事で分かりやすく解説している。
自分で淹れたコーヒーが「なんか苦い・・。」と感じる事は結構多いのではないかと思う。口に残る渋みを伴った不快な苦味。 「この苦味を何とか出さずに美味しいコーヒーを淹れたい!」というのは多くのコーヒーラバーの願い。 僕もコーヒーを始めた[…]
またもっと自分好みの味にしたいという場合には以下の記事を読めば、コーヒーの味わいをコントロールできるスキルが身に付くだろう。
コーヒーの味をコントロールする方法を知らずにコーヒーを淹れる事は、地図とコンパスを持たずに旅に出るようなもの。「酸味を抑えたコーヒーを淹れたい。」「苦味を抑えたコーヒーを淹れたい。」などそれぞれが目指す味があるはず。ぜひこの記事を活用して、[…]
最後に

今回はデルターコーヒープレスで二杯分のコーヒーを淹れる方法を紹介した。少しの工夫で様々な使い方ができるデルターコーヒープレス 。今後もまたデルターを使った新しい抽出方法などあればどんどんとシェアしていきたい。