札幌が実は「コーヒーの街」というのはあなたはご存知だろうか。
深煎りを主体とした自家焙煎の喫茶店やコーヒー屋が軒を連ね、札幌という街に深く根付いたその独自の珈琲文化は今でも地元の方々に深く愛され続けている。
そんな札幌コーヒーカルチャーの中で、生産履歴がしっかりとした品質の高いスペシャルティコーヒーを提供し続け、北海道のコーヒー業界のトップに君臨するお店がある。
それが横井珈琲である。
スペシャルティコーヒーの礎を築いた業界の重鎮
1996年に有限会社 工房横井珈琲を創業し、発寒に焙煎所をオープンさせた代表の横井力氏。
創業から数年後、横井氏は高品質な「スペシャルティコーヒー」と出会い、丸山珈琲の丸山健太郎氏やハニー珈琲の井崎克英氏を含めた全国の自家焙煎店のオーナーの方々と共に、「珈琲の味方塾(現Japan Roaster’s network)」という団体を発足させ、そのメンバーで直接コーヒー生産地に赴き、生産者と信頼関係を築きながら、ダイレクトトレードを始めた。
現在でこそスペシャルティコーヒーの流通量は増え、ダイレクトトレードという言葉も私たちの耳に入るようになったが、それも珈琲の味方塾のメンバーの方々が先陣を切ったおかげであることは言うまでもない。
正に横井氏は日本のスペシャルティコーヒーの礎を築いたメンバーの一人で、そのような方が作ったお店に今回はお邪魔させて頂いた。
今回は私が訪れたのは横井珈琲初の喫茶営業を行っている「横井珈琲 札幌パセオ店」。
発寒にある本店は焙煎所兼豆売り専門ショップのため、パセオ内にあるこちらの店舗が横井珈琲初のカフェ業態となる。
店内は明るく、女性スタッフ中心の丁寧な対応

こちらはオーダーカウンター。
女性のスタッフの方が多く、丁寧な説明と対応にプロフェッショナルを感じる。
横井珈琲に限らず、札幌市内の他のコーヒーショップの店員の方々もプロ意識が高くレベルが高いと感じる。
丁寧な対応のスタッフがいるとコーヒーの事が分からなくても気軽に相談できるが嬉しい。

本日はブラックのコーヒーが飲みたい気分。
メニューのページを開くとコーヒーの抽出方法はハンドドリップかフレンチプレスから選択可能。
メニューにはケニア、ブルンジ、コスタリカ、インド、インドネシアなど様々な国で生産されたコーヒーがラインナップされている。
またコーヒー名の下にはそのコーヒーにどのような風味特性があるかをフルーツに例えて説明がされている。スペシャルティコーヒーならではだ。
デカフェもあるので、コーヒー好きな妊婦の方でも安心してこちらのお店を利用することができる。
注文が完了した後はコーヒーが出来上がるまでしばし店内を散策してみる。
コーヒー豆の販売も充実。20種類以上のバラエティに富んだラインナップ
オーダーカウンターからすぐ近くに沢山のコーヒー袋が並べられた棚がある。
販売用のコーヒー豆は常時20種類以上用意してあり、様々な国、様々な生産処理方法のコーヒー豆が陳列棚に綺麗に並べられている。
代表の横井氏のスペシャルティコーヒーへの愛、そしてこだわりがひしひしと感じられる。
今回はその中から目をひいた2点を紹介。

こちらはボリビア エルクシージョ (100g 900円税別)。
記載されているフレーバーは「洋梨、マンダリンオレンジ、花の印象、キャラメルの甘さに、まろやかで奥行きのある味わい」。
詳細説明には生産者のペドロ・ロドリゲス・ペニャリータさんの写真がある。写真からだけでも伝わるコーヒー愛に溢れたその笑顔はこれまで多くの世界中のコーヒーラバーを虜にしたに違いない。

そしてこちら。コスタリカ エルパス・ヴィジャサルチ(ホワイトハニー製法)。
New!と書いてあるのでどうやら新登場のコーヒーのようだ。
記載されているフレーバーは「青リンゴ、アプリコット、オレンジ、ハチミツの風味、柔らかな甘さ。きめ細かく滑らかな口当たり」とある。
これを読んだだけでもなんだかクリーンで爽やかな味わいのコーヒーだという事が伝わってくる。生産者の顔写真があるとなんだか安心するのは、野菜もコーヒーも同じだ。
自宅でコーヒーを淹れる方への充実した抽出器具

オーダーカウンターの後ろのブースにはコーヒーを自宅で淹れる人向けに販売用の抽出器具がずらっと揃えられている。
ホームブリューワーへのサポートもバッチリだ。自宅でも横井珈琲のスペシャルティコーヒーが飲めるなんて、横井珈琲ファンにはたまらないだろう。
こちらの店舗でコーヒー豆を購入して、フレンチプレスで抽出すればお店の味を簡単に再現できる。
横井珈琲×ベストマミー コラボレーション企画

そして特に今回特に気になったのは壁に掛けられたポスターに書かれた内容。
「一杯のコーヒーと一杯のスープ」という横井珈琲とベストマミーによる共同企画で、北海道の食材を使用したスープがこちらパセオの店舗で頂けるそうだ。
札幌は寒いのでコーヒーとスープの組み合わせ、なんてありがたい企画なんだろう。次回来た時にはぜひ頂きたい。
コーヒーが完成

さて、そうこうしているうちにコーヒーが完成。
今回注文したのは先程紹介したコスタリカ エルパス・ヴィジャサルチ/ホワイトハニーだ。生産者の写真とともにコーヒーの情報が記載されたカードとともに提供される。
飲む前からとてもいい香りが漂っている。香りまで伝わらないのが残念でならない。
苦味はほとんど皆無で、説明書きに記載されいるように青リンゴのような酸(Malic Acidity:マリックアシディティ)を感じることができ、とても爽やかな飲み口の美味しいコーヒーである。
精製はホワイトハニーという生産処理方法が施されており、フリーウォッシュトのコーヒーにあるようなクリーンな味わいの中にほんのり優しい甘さをアフターに感じるのはホワイトハニー製法が成せる技だろうか。
一口飲んだら止まらなくなり、あと一口、あともう一口と、気づいたらあっという間にコップの中が空っぽになっていた。
それくらいゴクゴク飲んでしまうコーヒーである。
2018年12月1日 ロゴがリニューアル

横井珈琲のロゴが一新したそうだ。
旧ロゴも可愛く目を引くキャラクターであったが、今回の新ロゴはシンプルでとてもおしゃれなロゴに生まれ変わっている。海外のコーヒーショップにあってもおかしくないかっこいいクールなロゴだ。
新しくなったこのロゴには横井社長の「新しい想い」が沢山詰まっているのであろう。
今回お邪魔させていただいた横井珈琲 札幌パセオ店。
お客さんで賑わっているのにも関わらず、とても優しい雰囲気に包まれた店内なのはきっと社長や、スタッフの方達のコーヒーへの情熱や愛がそうさせているのかもしれない。
札幌で美味しいスペシャルティコーヒーを飲みたい、と思った時はぜひあなたも訪れてみてはいかがだろうか。
店舗情報
店名 | 横井珈琲 札幌パセオ店 |
住所 | 札幌市北区北6条西2丁目 パセオセンターB1F |
営業時間 | 10:00 – 21:00 (ラストオーダー20:30) 無休 |
Wi-Fi | なし(コンセントあり) |
禁煙喫煙 | 禁煙 |
席数 | 34席 |
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