進化と革新。エスプレッソ専用グラインダー MAJOR V ELECTRONICが気になる

進化と革新。


この2つの言葉をコンセプトに多くのバリスタから支持されるエスプレッソグラインダーを開発・販売しているMazzer社(マッツァー社)。言わずと知れたイタリアのトップメーカーだ。


そのMazzerが新作グラインダーを昨年2019年ドイツ・ベルリンのワールドコーヒーイベント内で発表し、いよいよ日本での展開も始まった。


新しいテクノロジーを取り入れ、グラインダーに進化と革新をもたらしたと言われるMAJOR V ELECTRONICとは果たして一体どんなエスプレッソグラインダーなのか?

 

Mazzerの英智を結集させたMAJOR V

近年の高品質なスペシャルティコーヒーの持つ豊かなフレーバーを表現するのにその実力を発揮するエスプレッソ専用グラインダーMazzer Major Vは多くのバリスタの視線を釘付けにしている。


普段他社のエスプレッソグラインダーを使っている身としては、非常に痒いところに手が届いているなという印象。使い手のことをよく考えて設計されている。


性能や機能性が高いのは勿論、グラインダーをインターネットと繋ぐことで更にコーヒーの品質や作業性の向上の実現を可能にしている点で確実に頭一つ抜けているグラインダーであるのは間違いない。





 

Mazzer Major V の性能

83mm フラット刃

Major Vは自社製造した直径83mmのフラット刃を採用している。


エスプレッソグラインダー用の刃は大きく分けて円錐型のコニカル刃ディスク型のフラット刃の2種類がある。コニカル刃は低速で擦り潰しながら豆を粉砕していくのに対し、フラット刃は高速回転で豆を切り刻んていくようなイメージ。どちらの刃ともメリット・デメリットがあるため表現したい味によってチョイスするのが良い。


コニカル刃は微粉の発生量が多いというデメリットがあるが、広い粒度分布により立体的で複雑な味わいのコーヒーを抽出する事ができ、低速で回転する刃は摩擦熱によるフレーバーやアロマの揮発を低減できるというメリットがある。


一方フラット刃は高速回転で豆を切り刻んでいく事で摩擦熱による影響はあるが、高い粒度の均一性が特徴。また微粉発生が少ないため、微粉による味の阻害要因が少なくクリーンでフレーバーが立ちやすくなる。


Major Vは後者のフラット刃を採用しており1600rpm(毎分1600回転)という高速回転で豆を粉砕していくため挽き時間は相当早い。高速回転による摩擦熱の影響は少なからずあるが、83mmと大きめの刃を採用しているため高速回転に完全に頼る事なく素早い粉砕が可能。


そのため摩擦熱による劣化は最小限に済み、クリーンで豊かなフレーバーを持つスペシャルティコーヒーとの相性はバッチリだろう。


※ 近年の研究では高回転による摩擦熱が豆の劣化に繋がるほどではないという見解もあるが、とても興味深いところ

 

粒度分布とは?

コーヒー豆を挽いた際に、どのような大きさの粒がどのような割合で含まれているかを示す指標

 





独自のGFCシステム

Major Vはフラット刃でコーヒー豆を粉砕した後、4本のワイヤーダンパーを持つアルミニウム製の排出口を通過して粉が出てくる。


これにより粉がダマになって出てくることを防ぎ、またコーヒー粉が帯びた静電気を除去することによる挽き残しを低減。毎回安定した量でドーシングを行う事ができる。


これを彼らはGFCシステム(グラインド フロー コントロール システム)と名付けている。このGFCシステムは競合他社の同価格帯のグラインダーの性能と比較すると遥かに優れている点である。

 

アルミニウム製の排出口は掃除ができるように取り外し可能となっており、液晶ディスプレイの下のフィンガーガードの下に配置されている。

 




挽き残しが無いとなぜ良いの?

多くのグラインダーは刃付近と排出口付近に粉が溜まってしまい粉の挽き残りが発生してしまうのが通例のため挽き残しが少ない事はかなりのメリット。


挽き残しが少ない事で出てくる粉量が一定になりドース量をコントロールしやすい。毎回一貫したドーシングを行う事ができるのでバリスタの作業性が上がる


また使用時間が長く空いてしまった場合や粒度調整をした場合でもグラインダー内部の挽き残しが少ないため古い粉を排出する必要もさほどない。そのため粉のロスを低減する事ができコスト管理をするカフェオーナーにとってもメリットがある。

 

 

 

オンデマンドグラインディング

美味しいエスプレッソを淹れるためには必要な分のコーヒー豆を必要な時に挽く必要がある。なぜなら挽いて時間が経ったものは、豆内部に内包される二酸化炭素と一緒に風味や香り成分が揮発してしまうからだ。


ドリップ用の挽き目と比べてエスプレッソ挽きは表面積が大きく酸素に触れる場所が多いためその影響はさらに大きい。そのため必要な分を秒数で設定し、必要な時に挽いてすぐに使う事ができるオンデマンドグラインディングは美味しいエスプレッソを淹れるためには非常に重要なのだ。

 




 

ポルタフィルターホルダーは調整可能

各社のエスプレッソマシンに付属しているポルタフィルターの高さやサイズには若干違いがあるのだが、Major Vはホルダー部分をポルターフィルターのサイズに合わせて上下、左右に調節可能


全てのサイズのポルターフィルターに適用できる点はマルコニックのPeak’sと同様に素晴らしい。どんなサイズのものでもフィルターバスケットの中央に向けてドーシングする事ができるようになった。


さらにポルタフィルターをホルダーにはめ、手を離してハンズフリーでドーシングする事ができるのもバリスタの作業効率が上がりGood。





 

フリッピングディスプレイを採用

ディスプレイはスライド反転する事ができるフリッピングディスプレイを採用している。ワイドで見やすい液晶表示でドーシング量を0.01秒単位でセットし、3つまで保存する事が可能。またドースカウンター機能や機械異常・刃の交換時期などを教えてくれるメンテナンスアラート機能もありがたい。






 

またインターネットとグラインダーを繋げる事が可能になった。専用アプリを使う事でドース設定をリモートで変更したり、グラインドリポートやメンテナンス時期などを現場のバリスタだけでなくカフェのオーナーも簡単にクラウド上で確認する事ができる

 





ダブルファン冷却機能

機械の内部に熱がこもると回路が異常をきたし、プログラムの誤作動が起こる可能性がある。それを防止するために冷却ファンが存在するのだが、そのファンがダブルで内蔵されている。このダブルファンで素早くマシンを冷却し故障を防ぐのに加え、コーヒー豆を熱による劣化から守ってくれるメリットもある。

 





粒度調整が簡単

メモリートラッキングシステムを搭載しているので簡単に粒度調整を行う事ができる。






 

掃除が簡単

掃除も非常に簡単。設定していた粒度設定が変わる事なくそのままの状態で刃の掃除を行う事ができるのも画期的。

 





最後に

1948年に創設されて以来、バリスタのニーズに応える革新的なソリューションをグラインダーに導入してきたMazzer社。「品質・使いやすさ・コントロール」の3つを今日まで大事にしてきたMazzerは最新モデルMajor Vでそれを具現化する事に成功した。


圧倒的な効率化によりバリスタのスムーズなワークフローを実現する事で時間を節約する事ができ、精度の高い一貫したグラインディングによるコーヒー豆のロスの削減。その結果として今までより美味しいコーヒーを作る事ができ顧客へ還元する事ができる


今回紹介したイノベーティブなグラインダー「Mazzer Major V」。一台所有する事でバリスタ、そして会社全体をさらに一段上の次元へと引き上げてくれる理想的なグラインダーである事は間違いないだろう。