夏の季節、コーヒーショップに行くと「コールドブリュー」という文字を頻繁に目にするようになる。
あの文字を見るたびに「ああ今年も夏が来たなぁ」なんて思ってしまう。コールドブリューとはいわゆる水出しコーヒーのこと。
僕は普通のアイスコーヒーより水出しコーヒーの方が100倍好きだ。水からじっくりじっくり抽出された水出しコーヒーはまろやかな味わいで優しい口当たり。
でも水出しコーヒーを家庭で作るのは手間が掛かかりそう・・?
なんて思っている人は多いと思うけど、実はそんなことはない。カフェクオリティの本格的水出しコーヒーを自宅で簡単に作れるコーヒー器具「Wiswell Water Dripper(ウィズウェルウォータードリッパー)」がある。
この器具の魅力と、他では決して語られる事がない使い方のコツを紹介したい。
wizwellウォータードリッパーとは?

Wiswell Water Dripper (ウィズウェルウォータードリッパー)はキッチン用品ブランドWiswellが開発した本格的な滴下式(=点滴式)タイプの水出しコーヒー専用器具。
韓国において優れた商品に対して贈られるHI-Seoul Good Product Award 2017を受賞をしており、コンパクトでスタイリッシュなデザインが見るものを虜にする。
また非毒性の高い素材を使用しているので安全性が高いのも魅力。価格もリーズナブルで非常にコストパフォーマンスが高いプロダクトだ。
カラーは2タイプ

カラーバリエーションは2種類。ナチュラルな色合いのクリームホワイトとシックなピアノブラック。悩みどころだけど、僕はピアノブラックが個人的に好み。うーん、かっこいい。。
容量 | 350ml |
サイズ | 上部 83.5mm (直径) |
下部 83.5mm (直径) | |
高さ 281.0mm | |
重量 | 本体 456g |
原料樹脂 | トライタン、ABS樹脂、ポリカーボネート、シリコーンゴム |
耐熱温度 | 90℃ |
耐冷温度 | -40℃ |
付属品 | 丸型ペーパーフィルター×100枚丸型ペーパーフィルター×100枚 |
Wiswell Water Dripperができること

ここで少しだけ専門的な用語の説明を。
水出しコーヒーには実は2種類あり一つは浸漬式、もう一つは滴下式(点滴式)。Wiswell Water Dripper(ウィズウェルウォータードリッパー)は後者の滴下式の水出しコーヒーを自宅で簡単に作成できる器具。
■ 浸漬式
漬け込み式。水出し用パックなどにコーヒー粉を入れ水の中で浸して抽出するやり方。
■ 滴下式
ドリップ式。専用器具を使用し一滴一滴水を落として抽出するやり方。
どちらの抽出方法も水からじっくり抽出するのでまろやかで美味しいコーヒーになるのは同じだが、滴下式で作った水出しコーヒーの方がさらにさらに美味しい。
浸漬式の場合、水とコーヒー粉が浸っている箇所と浸っていない箇所がある。そのため定期的に攪拌を行う必要がある。
この攪拌時にコーヒー粉にストレスが掛かり余計な雑味や渋みが出てしまう。また微粉の混入も避けられない。
滴下式の場合、一滴一滴ゆっくりとしたたる水がコーヒー粉の層を通過して抽出される。そのため攪拌されることは一切なくコーヒー豆へのストレスはゼロ。
そのため透明度が高く、クリーンで雑味のないコーヒーに仕上がる。攪拌を定期的に行う必要もないので面倒くささも全くないのも良いところ。
Wiswell Water Dripper 4つの特徴
点滴スピードの調整が自由自在

滴下式スタイルは、フレッシュな水を一滴一滴落として抽出する。そのため点滴スピードが重要。
すっきりとしたコーヒーにしたい時は点滴スピードを早く(1秒1滴)、濃いめのコーヒーに仕上げたい時は遅めに(3秒〜5秒で一滴)。調整は自由自在。
僕はコーヒーの持つ甘さがギュッと抽出されたコーヒーが好きなので断然後者派。

調整バーを横にすると弁が全閉して水は落ちてこない状態 。

縦にすると弁が全開になりドバーっと水が出てくる。基本これは使わない。

水滴がポタポタと落ちてくるベストポジション。
コンパクトで場所を取らない

喫茶店などにある滴下式の器具は基本的に大掛かりな物が多い。しかしWiswell Water Dripperは2ℓペットボトルより少し低いくらいの高さなのでとてもコンパクト。
キッチンに置いても邪魔にならないし、キャンプやアウトドアに持っていっても良さそう。
毒性の無い安全な素材

「毎日飲むコーヒーにプラスチックの毒が溶け出しているとしたら・・。」と考えると少し怖い。
ただWiswell Water Dripperはとても安全な素材が使われているので安心。液体が触れるパーツには「トライタン」という安全且つ強靭で割れにくいプラスチックの素材が使用されている。
キッチン家電、スポーツボトル、そして特に安全性が求められる医療機器や幼児用品にもこのトライタンという素材が使用されている事から、トライタンは非常に安全性の高い素材として近年注目を集めている。それもそのはず。
従来のプラスチックに使われるBPAをはじめとしたビスフェノール類は一切使用していない「BPAフリー」の素材。
毎日飲むものだから、こういう安全面に考慮した商品というのはそれだけでも価値がある。
圧倒的なコストパフォーマンス

浸漬式は特別な器具もいらず手軽にできる反面、滴下式は専用の器具が必要となり、その器具がとても高価で気軽に始めたくても始めれないのがデメリット。
Wiswell Water Dripperはスタイリッシュでコンパクトな本格的な器具且つ、安全性の高い素材で作られているのにも関わらず価格はとてもリーズナブル。
ちなみによく見る滴下式の器具は以下のようなもの。とても高くて手が出ない。
抽出してみよう
パーツはこれだけ

さあ実際に抽出してみよう。パーツはこれだけ。特に難しい組み立てもなく、シンプルに部品を順番に載せていくだけ。
毎日使うものだからシンプルで簡単なのは一番重要なポイント。片付けも楽チン。
コーヒーバスケットにコーヒー粉をセット

コーヒーバスケット内に付属のペーパーフィルターをセット。

40gのコーヒー豆を使用。挽きめは細挽き。コーヒー豆の種類は自由。深煎りであればまろやかさの中にコクと甘さのある味わいに、浅煎りであれば果実味のあるフルーティな仕上がりに。その時の気分やお好みで。
水を馴染ませる

少量の水を掛けて粉と水をスプーンで馴染ませていく。粉全体に馴染むまでスプーンでかき混ぜる。
水の量の目安は40gのコーヒー粉に対して40〜50mlほどで十分。一粒一粒の粉から成分を均一に引き出すためにはこの工程がとても大切になってくる。

ここで一工夫。まず外側の粉を少し中央に持ってきて山を作ろう。

軽く表面を押しながら平らにならしていく。

するとこのような形になる。

滴下される水が粉全体に行き渡るためのシャワーの役割を果たしてくれるペーパーフィルターを最後に上に乗せる。
写真の通り、ペーパーフィルターの直径はバスケットより小さいので側面には水が行き渡らない。そこで側面の粉を中央に寄せてペーパーフィルターと同じ直径の山を作ってあげるのだ。
こうすることで粉一粒一粒から余すことなくコーヒーの成分を引き出す事ができる。どこにも書いていないやり方なのでぜひ試しみてほしい。
水をセット

抽出されたコーヒーを受けるサーバーには目盛りが付いているので僕はこれを利用して水の量を測っている。結構便利。使う水の量はコーヒー豆40gに対し300ml。

コーヒーバスケットの上にウォータータンクをセットして、水を投入。

サーバーの上にコーヒータンクをセット。
点滴スピードの調節

さあ最後の工程へ。
この調整が最重要ポイント。早すぎると薄いコーヒーになるし、遅すぎると時間が掛かりすぎてしまう。
おすすめは3秒〜5秒で1滴になるように調節するのが美味しい水出しコーヒーを作るコツ。
抽出スタート

少し時間を置くと濃厚な液体がゆっくりゆっくりと落ち始める。お湯を使って抽出している訳ではないのに、しっかりと部屋にコーヒーの甘い香りが充満してくる。幸せな瞬間。

持ち上げるとこんな感じ。なんかもうすでに美味しそう。

ポタポタとサーバーに液体が落ちていく様が楽しい。全て抽出が終わるのは大体3〜5時間ほど。寝る前に仕込むのがベスト。
加水して完成

抽出されたコーヒーは凝縮した濃い液体。これに1.5倍〜2倍ほどの水で薄めて完成。
抽出時、コーヒーの粉の層内では一切攪拌が起きず、静かにゆっくりゆっくりと成分が引き出される。
そのため仕上がりのコーヒーには微粉は一切混入せず、見た目は濁りがなくとてつもなく透明感のある液体に。まろやかな味わいの中に、しっかりコーヒーのフレーバーを感じる事ができ本当においしい。
楽しみ方は色々
濃厚カフェオレ

濃く抽出した水出しコーヒーをミルクに合わせて濃厚なアイスカフェオレに。エスプレッソとミルクを合わせて作るカフェラテに勝るとも劣らないアイスカフェオレは絶品。
カフェラテ・・・エスプレッソとミルク
カフェオレ・・・コーヒーとミルク
コールドブリュートニック

エスプレッソトニックの親戚、「コールドブリュートニック」。
Wiswell Water Dripperで作った透明度の高い水出しコーヒーとシュワシュワのトニックウォーターを合わせた暑い夏にぴったりなドリンク。ゴクゴク飲みすぎて一瞬で無くなってしまった。
疑問に答える

コーヒー豆使いすぎでは?
「一回で40gのコーヒー豆を使うのは使いすぎで経済的では無い」
というレビューを見かけたけど、実際はどうだろうか?気になったので調べてみた。
出来上がりのコーヒーは約250ml。これを2倍に希釈するとして500mlの水出しコーヒーをWiswell Water Dripperでは作る事ができる。
僕が働くお店や他のコーヒーショップの水出しコーヒーの比率が1000ℓの水に対して60〜80g使用するのが基本であることから、Wiswell Water Dripperが推奨している一回40gという量はごく一般的な量であることが分かる。
きちんと計算すると全く使いすぎではないので安心してほしい。
コストパフォーマンスが悪い?
「出来上がりの量が少なくてコスパが悪くてお店で飲んだ方が良い」
という声も聞いた。これはどうだろうか?
40gで約500ml〜550ml(希釈後)の水出しコーヒーを作る事ができる。品質の高いスペシャルティコーヒーの豆は100gで約1000円(40g=400円)ほどで販売されている。
150mlを一杯として考えれば、約3杯分飲める。なので高品質な豆を使ったとしても一杯約133円。美味しいコーヒーがこの価格で飲めるとなればむしろコストパフォーマンスは高いと言えるのではないだろうか。
フィルターは純正以外も使える?
Wiswellコーヒードリッパーには100枚茶色い専用パーパーフィルターが入っているがこれがなくなったら他社のペーパーフィルターを使おう。
オススメはエアロプレスのペーパーフィルター。純正より直径がやや大きく、コーヒーパウダーの上に乗せる時もしっかり側面まで水を行き渡らせてくれる。
ステンレスフィルターは使える?
エアロプレス専用のAble Brewing社のステンレスフィルターは径がぴったり。ステンレスフィルターを使うとオイル分も抽出され、とろっとした質感に。ここら辺は好みで使用してほしい。
購入者からの評価

Amazonでのレビュー数は現時点(2020年8月現在)で44レビュー。星4つ以上は78%、星3つ以下は22%と、その評価の高さが伺える。
スタイリッシュなフォルムと簡単に水出しコーヒーが作れる機能性。そして安全且つ強靭な素材であるトライタンを使用していることがこの評価に繋がっていると言える。
最後に
滴下式の水出しコーヒーって本当に絶品。
まだ飲んだことがない人は絶対に飲むべき。新しく発売されたコーヒー豆を買ってきて水出しコーヒーを作ってみたり、いつもはホットで飲んでいるコーヒー豆を水出しコーヒーにして新境地を開いてみたり。
「滴下式水出しコーヒー」が自宅のオプションとして増えればコーヒーライフは今よりもっともっと楽しくなるはず。ぜひとも試してみてほしい。