コーヒーの味をコントロールする方法を知らずにコーヒーを淹れる事は、地図とコンパスを持たずに旅に出るようなもの。「酸味を抑えたコーヒーを淹れたい。」「苦味を抑えたコーヒーを淹れたい。」などそれぞれが目指す味があるはず。ぜひこの記事を活用して、自分で自由にコーヒーの味をコントロールできるスキルを身につけてほしい。
■ 思い通りの味のコーヒーを淹れたい人
■ バリスタになりたい人
■ コーヒー初心者
まずはじめに知っておきたい事

味わいのコントロール方法を知る前に、まず知っておきたい3つの事がある。 それは、未抽出、過抽出、適正抽出、という言葉である。これらの3つの言葉は出来上がりのコーヒーの抽出状態を指す。
■ 未抽出
■ 過抽出
■ 適正抽出
コーヒーの抽出には上の3つのフェーズ(段階)がある事を頭に入れておく事が、コーヒー抽出のコントロール方法を理解する上で大前提となる。
未抽出・過抽出・適正抽出とは?

それでは未抽出・過抽出・適正抽出とはどのようなコーヒーなのかを説明したい。
コーヒーの成分を出し切れていない状態のコーヒー
過抽出のコーヒーとは?
コーヒーの成分を出しすぎてしまった状態のコーヒー
適正抽出のコーヒーとは?
未抽出と過抽出の間で抽出されたコーヒー
3番目の「適正抽出のコーヒー」というのがいわゆる誰しもが「美味しいと感じるコーヒー」。コーヒーの持っている良い成分が引き出され、極力悪い成分が引き出されていない状態。つまり未抽出と過抽出の間で抽出されたコーヒーである。
このポイントで抽出されたコーヒーはフレーバーを伴った甘さを最も感じることができ、このポイントの事をスイートスポット(スウィートスポット)とも呼ぶ。
それではいよいよ次章からは理想的な抽出(=スイートスポット)に辿り着くための抽出コントロール方法を解説していく。未抽出と過抽出についてもっと知りたい方は別記事『【未抽出・過抽出とは?】これを知ればもっとコーヒーはおいしく淹れられる! 』で詳しく丁寧に説明しているので参照してほしい。
コーヒーの味わいのコントロール方法

調整箇所はたったの4つだけ
いつも淹れるコーヒーが未抽出になってしまう(酸味が強いコーヒー)人と、いつも淹れるコーヒーが過抽出になってしまう(苦味・渋みが強いコーヒー)人が理想的な抽出に辿り着くために調整する項目は全く同じ。その項目は以下の4つになる。
■ 粒度(挽き目)
■ 抽出時間
■ 粉と湯量の比率
■ 湯温
この4つの項目のうちのどれかを変える事で抽出をコントロールすることができ、適正抽出に到達することができる。
未抽出から適正抽出へ
コーヒーが未抽出で酸っぱくなってしまうのなら、以下の方法が有効。必ず適正抽出になっていくはず。
粒度 | → | 細かくする |
抽出時間 | → | 長くする |
粉と湯量の比率 | → | 湯を多くする |
湯温 | → | 高くする |
過抽出から適正抽出へ
コーヒーが過抽出で苦く、渋くなってしまうのなら以下の方法が有効。これも必ず適正抽出になっていくはずである。
粒度 | → | 荒くする |
抽出時間 | → | 短くする |
粉と湯量の比率 | → | 湯を少なくする |
湯温 | → | 低くする |
濃度計を使うことで客観的に判断する事もできる

濃度計を使用すれば自分が淹れたコーヒーが「未抽出・過抽出・適正抽出」のどれに当て嵌まるのかを客観的な数字で判断することも可能である。以下の記事で詳しく解説しているので参考にして欲しい。
「自分が淹れたコーヒーって数値で表せるのかな?」 もしあなたが店舗でバリスタとしてコーヒーを淹れていたり、自宅で毎日コーヒーを淹れて趣味として楽しんでいるコーヒーギークであれば一度は考えたことがあるのではないだろうか。 もしコーヒーを数値で[…]
最後に

コーヒーのレシピの調整は難しいようだが、意外にシンプル。もし淹れたコーヒーが酸っぱいな(未抽出)、もしくは渋くて苦いな(過抽出)、と感じたら上の表を見ながら少しずつ調整していくと、遅かれ早かれ適正抽出(スイートスポット)に辿り着ける。
難しく考えずに上の表を見ながら気軽にレシピ調整し、一人でも多くの方が自分好みの味わいのコーヒーを淹れられることができれば嬉しい。